
がんを予防するための生活習慣改善 米がん学会が新ガイドライン
2012.01.16
米国がん学会は、生活習慣を改善することでがんを予防できることを提示した「がん予防のための食事と身体活動ガイドライン2012年版」を発表した。がん予防のために個々の生活者がとるべき行動を明確に示し、健康的な生活スタイルを選ぶことのできる社会環境の整備についても言及している。
肥満予防と運動習慣が、がん予防につながる
米国では1980年代以降、肥満は急増しており、成人の肥満の割合は2倍に、小児では3倍に増加した。肥満とがんには密接な関連があり、がんによる死亡者のうち、男性14%、女性20%が過体重と関連があるとみられている。
がんの多くは肥満や過体重を避け、適正体重を維持することで予防・改善が可能とみられている。部位別にみると、特に乳がんと大腸がんは肥満と関連が深いという。
一方で、米国人の運動不足は深刻で、成人の半数は推奨される身体活動量の下限を満たしていない。運動不足は成人だけでなく、若者でも深刻だ。若者の44%は毎週の学校の体育クラスに参加しておらず、33%はテレビ視聴に毎日3時間以上を費やしている。また、25%はコンピュータやインターネットに毎日3時間以上を費やしているという。
健康的な食事に関する知識の普及も課題となっている。現代生活は食品が豊富で、終日営業のコンビニやレストラン、自販機などで食品をいくらでも購入できる。それらの多くは高カロリーで栄養バランスの悪いファストフードや清涼飲料で、1回の摂取カロリーも推奨量を大きく上回る。
カロリーを必要量に抑えながら栄養バランスの良い健康的な食事をとるため、適正な知識を普及する必要がある。そうした健康的な食品を販売する食料品店を身近に置くなど社会整備も求められている。
「がん予防のための食事と身体活動ガイドライン2012年版」では、主な事項として次の4項目を挙げている――
|
健康的な体重を維持しましょう
|
|---|
- やせと肥満を避け、健康的な体重を維持しましょう。
- 全ての年齢で肥満や過体重を防ぐことが、がんを予防するために勧められます。現在、肥満や過体重の人は、体重を少し減らすだけでも恩恵を得られます。
- 運動を習慣として行うことや、高カロリーの食品や飲料を摂取しないことが、健康的な体重の維持に役立ちます。
|
|
運動や身体活動を増やし活動的な生活スタイルを
|
|---|
- 成人は週に150分以上の適度な強度の運動と、75分間の活発な運動を続けましょう。
- 子供と若者は適度な運動を毎日1時間以上行いましょう。週に3日以上活発な運動を行いましょう。
- テレビの前で座ったまま過ごす時間や、横になって過ごす時間をなるべく減らしましょう。
- 日常の通常の活動に加えて身体活動や運動を増やしていくと、健康増進につながります。
|
|
健康的な食事 野菜や果物を十分にとりましょう
|
|---|
- 健康的な体重を維持するために、健康的な食事と食品の選択が大切です。
- 加工肉と赤身肉は控えめにしましょう。
- 野菜と果物を毎日2.5皿以上食べましょう。
- 穀類は精製されたものよりも全粒粉を選びましょう。
|
|
アルコール飲料の飲みすぎに注意
|
|---|
- 勧められるアルコール飲料の1日の摂取量は、男性は2杯、女性1杯まで。
|
Updated American Cancer Society Nutrition Guidelines Stress Need for Supportive Environment(米国がん学会 2012年1月11日)
American Cancer Society guidelines on nutrition and physical activity for cancer prevention
CA: A Cancer Journal for Clinicians, Volume 62, Issue 1, pages 30?67, January/February 2012
(TERA)
|
|